沖縄県内で初めて国宝に指定された建造物「玉陵」
沖縄県那覇市首里金城町に位置する玉陵(タマウドゥン)は、琉球王国第二尚氏王統の歴代の国王の陵墓で、1501年に尚真王が父である尚円王の遺骨を納めるために建造されました。
石造建造物で、2.442平方メートルの墓域は沖縄戦による大きな被害を被り、1974年から3年にわたって大々的な修復工事が行われました。
2000年12月に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」のひとつとして世界遺産に登録された他、1972年5月15日には玉陵墓室石牆(たまうどぅんぼしつせきしょう)が国指定有形文化財建造物に指定されると同時に、玉陵は国指定記念物史跡と定められました。
また、2018年12月25日には、玉陵が建造物として正式に国宝に指定されました。
これは沖縄県内の建造物としては初の出来事となります。
玉陵の見どころ
玉陵入り口にある奉円館(ほうえんかん)は券売所で、ガイドブックなどの刊行物も販売しています。
奉円館の地下には資料展示室もあり、琉球王国の歴史パネルや葬儀の様子などの写真、破風墓の内部が分かる模型などが展示されていますので、破風墓を見る前に行っておけば、前もって知識を仕入れることができます。
玉陵の見どころの一つである「玉陵碑」は1501年に作られており、玉陵に葬られるべき人々と尚真王他8人の名が規定されています。
碑文に尚真王の長男と次男の名前が記されていないのは、王位継承をめぐる王室内の争いが原因だと言われています。
二つ目の門をくぐったところで、玉陵が目の前に出現します。
島久高島から持ってきた珊瑚砂が敷き詰められているのは、邪気を取り払うためです。
当時の板葺き屋根の宮殿を模した破風墓の墓室は3つに分かれています。
玉陵の各墓室の上には3匹の獅子がおり、入口門を見て守り神の役割を果たしています。
玉陵へのアクセス
玉陵へのアクセスは、公共の交通機関が便利です。
「ゆいレール首里駅」からは歩いて約15分、バスの場合には市内線1番・17番、または市外線46番
「首里城公園入り口バス停」で下車して徒歩約5分、あるいは首里城下町線8番に乗り、「首里城前」で下車すれば徒歩でわずか約1分です。
車の場合、那覇空港からは30〜40分、国際通り周辺からは15~25分ほどの所要時間となっています。
専用のパーキングはありませんので、首里城か周辺のパーキングに車を駐車しなければなりません。
観覧時間は午前9時~午後6時(入場締切は午後5時30分)となっており、年中無休です。
観覧料金は大人が300円、小人(中学生以下)は150円、20名以上の団体には団体割引料金が適用されます。
小学生以下は無料で入場できます。