難攻不落の城と歌われた勝連城跡の魅力
沖縄本島東海岸に位置する勝連半島、その付け根の丘陵部にある勝連城は、大地の高低差を活かした城です。
勝連城は12世紀から13世紀に築城されたとされており、10代に渡ってその地域の首長である按司がこの場を治めてきました。
勝連城の最盛期の按司である阿麻和利は、海岸沿いという地の利を活かした中継貿易を展開し、首里王府に負けないくらいの経済力と軍事力を持っていました。
天下統一を目指し、打倒王府を目指して動き始めますが、最終的には首里王府の軍勢によって滅ぼされそのまま衰退したという歴史を持っています。
そんな勝連城は、2000年にユネスコの世界遺産に登録されており、その優美な城壁は訪れるものの目を引き付けます。
那覇空港からは、高速道路を利用すれば1時間で行ける観光スポットです。
勝連城跡の楽しみ方
勝連城跡はその歴史を感じながら、自分の足で跡地を巡ることが1番の楽しみ方です。
自ら歴史を勉強してから訪れるのも良いですが、現地の方に詳しい話を聞きながら巡りたいという方は、有料のガイドさんを予約することをおすすめします。
「うるま市文化財ガイドの会」が城跡内の名所に関して説明しながら案内してくれるので、隅々まで勝連城跡を満喫することができるでしょう。
下からも上からも見どころ満載の勝連城跡
勝連城は丘陵の高低差を利用して築城されているため、麓と頂上からではそれぞれ違う景色を楽しむことができます。
はじめに、勝連城跡に訪れたらその麓から勝連城の全景を眺めてみましょう。
なだらかで美しい曲線美を描きながら積み上げられた石垣は、その優美な美しさからなかなか目が離せません。
かつて勝連城は、広大な空を背景にしてそびえ立つ巨大な帆船のようであると例えられていました。
現在の姿はもちろんその当時の姿とは異なりますが、当時の姿を想像しながら過去に思いを馳せてみるのもよいでしょう。
勝連城を代表する景色の1つに、三の曲輪の城門というものがあります。
城跡への道を進んでいくと、北城と南城の間である鞍部に到着します。
そこから北城の方を見てみると、三の曲輪の高々とした石垣が見えます。
それが勝連城の見どころである、三の曲輪の城門で、圧巻のスケールを誇る三の曲輪の城門は、その規模の大きさや石垣を精緻に積み上げる技術力の高さに驚かされることでしょう。
三の曲輪の上は、二の曲輪そして一の曲輪と続いていきます。
本丸とされている一の曲輪は、その周囲を石垣と崖に囲まれたとても堅固な空間です。
その中心にはタマノミウジ御嶽と呼ばれる祭祀場があり、ここでさまざまな儀式が行われていたとされています。
この一の曲輪の魅力は360度何の障害物もなく見渡せるパノラマ眺望で、この場所に立って下を眺めると、うるま市や両側の海を一望することができます。